メインのプログラムの裏でいろんな話題が飛び交っていて、このブログでも表舞台の事をあまり書かないで、それ以外の所ばかりで学んだことを書いているようで恐縮なんですが・・・
「週刊東洋経済の見出しがなかなか凄い言葉を使っている」
というような話題があったのです。
上野行一先生から教えてもらったので購入しました。
この「食える子」というのは、方向性としては「生きる力」と同義だと考えます。
これまで紹介してきたように既存の職業は崩壊の危機にある訳ですから、従来型の学習では将来「食えない」ということになってくる訳です。
この本では2020年が大きな山場だろうと書いてあります。
どう山場なのかを考えるために、ここまでの流れを振り返ってみると・・・
90年代に詰め込み教育の反省から学習内容と時間の絞り込みが行われ、総合的な学習の時間が登場しました。詰め込み教育による学校の荒廃という「デススター」を木っ端みじんに打ち砕く思い切った改革です。
こうして「自ら考える力」の育成へと大きく舵を切った訳ですが、失敗だったのは受験システムを変えなかったことでしょうか。新しい学習の方法は旧来型の受験には有効ではないので「学力が低下した」と誤解され、「ゆとり教育」という言葉は悪いイメージで使われるようになりました。
その反動で私立高校や学習塾が「ウチは学力低下させないで、しっかり詰め込み教育しまっせ」とアピールして少子化時代を生き抜こうとしました。こうして偏差値重視教育が復活して、親は「お受験」なるものに飛びつくようになって現在に至る訳です。
これはもう「帝国の逆襲」です。
授業時数も、「ゆとり」で減らされた実技教科を戻さずに5教科の方を増やしたわけですから公立学校の「自ら考える力」陣営は「偏差値学力」陣営に敗北してしまっているわけです。
ところがここに来て風向きが変わってきました。
「今度は失敗しないぞ」とばかりに大学受験の仕組みから変えながら「アクティブラーニング」を導入してきます。昔の「ゆとり用語」を使っては勝てないので新しい言葉のように使っていますが「自ら学ぶ力」陣営ですよね。新しい領域へ進んだのではなく再チャレンジです。
まるで「ジェダイの復讐」です(笑)
尾木ママのようなテレビに出ている教育評論家の論調も変わってきています。
AIが進んで、消える職業が加速したのも後押しして、21世紀に通用するような「食える子」を育てるには、どうすればいいのかをテレビや本で語るようになり、きっとこの雑誌もその方向で作られるようになったのでしょう。
「知育偏重帝国」対「自ら学ぶ軍」のせめぎあいに何らかの結論が出るのが2020年という訳です。
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