2017年03月19日

21世紀型スキル(4)

これも学び研in大阪での話。
メインのプログラムの裏でいろんな話題が飛び交っていて、このブログでも表舞台の事をあまり書かないで、それ以外の所ばかりで学んだことを書いているようで恐縮なんですが・・・
「週刊東洋経済の見出しがなかなか凄い言葉を使っている」
というような話題があったのです。
上野行一先生から教えてもらったので購入しました。
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この「食える子」というのは、方向性としては「生きる力」と同義だと考えます。
これまで紹介してきたように既存の職業は崩壊の危機にある訳ですから、従来型の学習では将来「食えない」ということになってくる訳です。
この本では2020年が大きな山場だろうと書いてあります。

どう山場なのかを考えるために、ここまでの流れを振り返ってみると・・・
90年代に詰め込み教育の反省から学習内容と時間の絞り込みが行われ、総合的な学習の時間が登場しました。詰め込み教育による学校の荒廃という「デススター」を木っ端みじんに打ち砕く思い切った改革です。
こうして「自ら考える力」の育成へと大きく舵を切った訳ですが、失敗だったのは受験システムを変えなかったことでしょうか。新しい学習の方法は旧来型の受験には有効ではないので「学力が低下した」と誤解され、「ゆとり教育」という言葉は悪いイメージで使われるようになりました。
その反動で私立高校や学習塾が「ウチは学力低下させないで、しっかり詰め込み教育しまっせ」とアピールして少子化時代を生き抜こうとしました。こうして偏差値重視教育が復活して、親は「お受験」なるものに飛びつくようになって現在に至る訳です。
これはもう「帝国の逆襲」です。
授業時数も、「ゆとり」で減らされた実技教科を戻さずに5教科の方を増やしたわけですから公立学校の「自ら考える力」陣営「偏差値学力」陣営に敗北してしまっているわけです。

ところがここに来て風向きが変わってきました。
「今度は失敗しないぞ」とばかりに大学受験の仕組みから変えながら「アクティブラーニング」を導入してきます。昔の「ゆとり用語」を使っては勝てないので新しい言葉のように使っていますが「自ら学ぶ力」陣営ですよね。新しい領域へ進んだのではなく再チャレンジです。
まるで「ジェダイの復讐」です(笑)
尾木ママのようなテレビに出ている教育評論家の論調も変わってきています。
AIが進んで、消える職業が加速したのも後押しして、21世紀に通用するような「食える子」を育てるには、どうすればいいのかをテレビや本で語るようになり、きっとこの雑誌もその方向で作られるようになったのでしょう。

「知育偏重帝国」「自ら学ぶ軍」のせめぎあいに何らかの結論が出るのが2020年という訳です。

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2017年03月16日

21世紀型スキル(3)

今話題の自動運転技術が、タクシーなどの「運転手」という職業が無くなるというようなことを昨日書きましたが、AIを開発している側からそれを裏付けるような言説を発見しました。
講談社現代ビジネスのこのページ(リンク)から引用しますね。
「『Google Car』に代表されるような無人で走る自動運転車は、これから世界中に行き渡ります。そうなれば、タクシーやトラックの運転手は仕事を失うのです。これはほんの一例で、機械によって代わられる人間の仕事は非常に多岐にわたります。私は、米国労働省のデータに基づいて、702の職種が今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるかを分析しました。その結果、今後10〜20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いという結論に至ったのです」
と英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授が語ったそうです。
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記事によると人間が手間をかけていたことが機械によって自動化される・・・というのは20世紀までの話で、21世紀はセンサーの発達によって認識力を持ったロボットが、これまでできなかった仕事もこなしてしまうようになるようです。
確かに「siri」のように会話ができる機能を持った機械が最近増えてきましたから、応答する業務(オペレータやヘルプデスク)を肩代わりするようになりそうだし、今の回転寿司のようにタブレット注文してレールの上を品物が流れてくるシステムも近いうちに音声入力になってくるだろうし、店員を減らして人件費をカットしようとするのもヤムナシというとこでしょうか。
なんか味気ない様な気もしますが、保守点検の仕事なんかは逆に「眠らない」「間違いが少ない」と言う点で人間よりもロボットの方が適材適所と言う感じがします。
まあ、消えていく職業のリストに「学校の教師」というのは見当たらないようですが、そういう消える職業で役立つようなスキルしか教育できないような学校では、存在価値を疑われることになりそうです。
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posted by kazyhazy at 23:10| Comment(0) | TrackBack(0) | アクティブラーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月15日

21世紀型スキル(2)

21世紀と言えば、我々の年代だと鉄腕アトムに出てくる街並みのようなイメージを持っていて、タイヤのない車が透明のチューブの中を走ってビルからビルへ抜けていくもんだと思っていました(笑)
だから21世紀になったばかりのころは全然イメージと違った現在の風景にがっかりしたものです。
街並みはそうなんですが、アトムの方には近づいていますね。
二足歩行型のロボットも出てきたし、近年では人工知能の研究が飛躍的に進んでいます。
「2001年宇宙の旅」に出てきたコンピュータHALのように、我々のケータイも話しかければ返事をします。
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21世紀型スキルとか21世紀型学力と言う言葉が大きく話題になったのは2011年、今から6年前ですね。
中学校美術Q&Aの発表者の中にもそれを取り上げる人が何人かいましたが、最初に聞いたのは上野行一先生の講話だったと思います。
米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソン氏が2011年に「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」という予想をインタビューの中で語って波紋を呼んだのが発端ではなかったでしょうか。
確かに・・・
私が子供のころにはWebデザイナーなんて職業は存在せずインターネットも無かったのですが、そういう職業が登場し、人気の職業になり、そして最近はあまり聞かなくなりました。(知らないだけかもしれません。すいません)
すごいスピードで社会が変化しているってことでしょうかね。
今話題の自動運転技術なんかを見ても、近い将来とまでは行かなくてもタクシーなどの「運転手」という職業が無くなることは確実でしょう。
ということは、従来型の勉強をしていても将来は機会に仕事をもっていかれる訳ですから、機械にはできない、人間にしかできないスキルを身に付けないと困ることになる訳で、教育の内容や方法を大きく見直して21世紀に通用する学力と言うものを模索しなければいけない時期に来ている・・・これが21世紀型の学力ですよね。(ほとんどウケウリですが)
たとえば今、小学校にまで年齢を下げて「英語が必要だ」と力を入れていますが、リアルタイムで翻訳してくれる機械が進むほどに様相は変わってくるでしょう。
先ほどの「運転手」のように、外国語の学習が不必要になるとは言っていません。心理学の側面から外国語の学習は不可欠ですので、消えてほしいとは思いません。今とはまったく違うカタチになるべきだと思います。
だから「様相が変わる」と書いたわけです。
このように色々なシーンで「学ぶべきこと」が変化していきそうですね。

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2017年03月13日

21世紀型スキル(1)

初任研でやっていることとしてこれまで、授業を見に行ったり指導案を直したりというような仕事がたびたびブログにも登場したと思います。これは「授業研修」というカテゴリに該当します。
しかし、ご存知の方も多いと思いますが「一般研修」というのもあるんです。
これは授業以外の基礎的な素養をレクチャする時間で、
生徒指導・・・とか、学級経営・・・とか、懇談会の持ち方・・・とか
授業以外のことの研修を週2回のペースで、初任者3人+私でやっています。
「毎週毎週2回も初任者向けに講話をしてるのか?」
と思われるかもしれませんが、「してるんですよ」これが(笑)
毎日ブログを書いても平気な人間の資質・能力なんでしょうかね。
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生徒指導や学級経営の基本というような講話はそんなに何回もできないし、メンター制の研修を使った方が有効だったりするし、そもそもそういう大事なヤツは一学期に済ませているので、後半になるほど私らしい講話にバイアスがかかります。
・ファシリテーション
・キーコンピテンシー
・ヒドゥンカリキュラム
・オープンクエスチョン

などなど、講話のタイトルもカタカナ用語がばんばん増えてきます。
もはや基礎的素養ではありませんね(笑)
やはり初任者と言うのは「これから」の人材です。
だから校内の先輩教員でさえ知らない様な新しいことも知っていてほしいのです。

そうして、つい先週扱ったタイトルが「21世紀型学力」だったという訳です。




posted by kazyhazy at 21:08| Comment(0) | TrackBack(0) | アクティブラーニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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