2013年06月27日

授業は久しぶりだ!

指導員となって各校を回る日々。
以前にも書いたとおり授業はゼロの日々。
先日、2年目の先生が「クリスティーナの世界」で鑑賞授業をやるという。

自分もやりたかった題材であり、生徒の反応に興味があったので、現在の役目とは全く関係のないクラスの授業に潜入して、その先生の授業を参観することにした。
クリスティーナ.jpg
授業が終わった後「どうでした? どうしたらもっと良くなりますか?」と聞いてくる先生だからすばらしい。急遽ミニ授業研究会の開催です。

さんざん話し合ってワークシートも作り直して、翌週に再チャレンジです。
なんせ9クラスもあるので教師の成長にはもってこいです。(生徒にはちょっと申し訳ないけど)

その先生が改良案で授業をして、それを見て次のクラスで私が授業をすることになりました。
その私の授業を見てさらにその先生が別のクラスで授業をするってんだからもう至れり尽くせりの授業研です。
本来業務以外でそんな作戦を練っている二人を応援してくれたのが学校長でした。
私の授業の時には参観にまで来てくれました

1年生の時に全クラス授業を持っていた今の3年生です。
「なんでこの先生が授業を・・・」と思ったかも知れませんが、授業が進めば違和感なんかありません。(と思います)

久しぶりに授業をして「ああ自分は美術の授業が好きなんだなあ」と再認識した次第。

  
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2013年04月22日

帰ってきました

前回の記事で「明日から東京」と書きましたが、帰ってきました。
東京行きに関してちょっと嬉しいことがあります。
というのも、自分の家の前のバス停から京都駅まで直通のバスが出るようになったのです。
閑静な住宅街・・・だけどチョット不便・・・という所に住んでいたので、すぐに新幹線に乗れるようになって、頻繁に東京へ行く身にとって大変有り難いです。
IMG_1443.JPG

会合を経て、鑑賞の教材をいくつか開発しなきゃ・・・という状態です。
Q&A金沢もあるので、まだまだ美術関連で忙しい日々が続きそうです。

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2012年11月14日

鑑賞「東京オリンピック」(終)

今、3年生は卒業制作という課題の原案を考えています。
先日の授業中にある生徒が雑誌の切り抜き写真を持ってきて、
「この夕日を作品の中に入れたいのです」
・・・と相談に来ました。
「それで?」と返します。
「いえ、それだけです」と生徒が言うので
「君はこの作品の作者と言えますか?」と尋ねます。
すると・・・
パッと顔を輝かせて「あっそうか!わかりました。もう一度練ってきます」
と言って席に戻っていきました。

前回までの亀倉雄策:作「東京オリンピック公式ポスター」の鑑賞のシメは
夏休みから続いている宿題についてでした。
一学期の終わりから、卒業制作に使う資料の切り抜きを作るように指示してありました。

テーマは「私の中学3年間」
中学生活の最後を飾るに相応しいものを作ろうねと言ってありました。
部活動を熱心に3年間続けた生徒なら、用具のカタログやスポーツ雑誌の切り抜きなどを集めています。
これを、どう料理するかが問題です。
「東京オリンピック公式ポスター」の鑑賞では、多くのスタッフが素材を生み出したにも関わらず、作者名が亀倉雄策になっている点に中心発問を持ってきました。

だから、この鑑賞の授業の最後の言葉は、
「夏休みの宿題で集めている資料は、さまざまな分野のプロが作ったものです。
 それを活用してこれから作る卒業制作は、作者名が自分であると言えるように!」
というような言葉だったのです。

 
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2012年11月11日

鑑賞「東京オリンピック」(6)

教室に大きな「どよめき」が起こって、この授業が投げかける本当クエスチョンが生徒の前にあらわれた所まで書きました。そこですかさず次の発問です。

資料集や美術書などでも「東京オリンピック公式ポスター」作:亀倉雄策となっていますが
「作者名は亀倉雄策さんで良いのだろうか」
という疑問を生徒に投げかけます。
IMG_0192.jpg
漠然と作品を眺めるだけでは終われないクエスチョンを突きつけられて、生徒達の頭はめまぐるしく回転し始めます(たぶん)
絵画や彫刻の鑑賞ではなかなか現れない、デザインの鑑賞ならではのシチュエーションです。

「作者名は亀倉雄策さんで良いと思います」と発言した生徒にも
「ダメだと思います」と言った生徒にも
「どうしてそう思ったの?」と投げ返します。
「沢山のスタッフが働いているのに亀倉さんだけが手柄を独り占めしたみたいで嫌です」
「そのスタッフは、仕事を頼まれた亀倉さんが集めたスタッフなんだから、これで良いと思う」
「そうだそうだ。よりよい物を作るために一流の人材を使うのは当たり前だから」
「せめて撮影現場くらいは行かなきゃ作者名としては失格だろう」
「照明さんや衣装さんがバラバラに存在してもこのポスターは出来なかった。方針を決めたり、まとめたりする人が居ないとできないし、それが亀倉さんだった」


作者って何だろう・・・ということを考える機会になったでしょうか。

 
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2012年11月09日

鑑賞「東京オリンピック」(5)

「この発問には続きがあります。」・・・な〜んて中途半端なところで前回は終わってしまいました。
このポスターを作るのにどれほどの仕事が必要かを問うたところまででしたね。
どのクラスでやっても
・写真を撮影する人(カメラマン)
・ロケ地を確保したり整備したりする人
・照明係
・ランナー役のモデルと、そのモデルを調達する係
・衣装(ユニホーム)や靴を用意する人

・・・・という意見が共通してでてきます。

美術資料なんかで作者名は「亀倉雄策」であることは知っていても
「作者イコール絵を描いた人」という画家の方程式が無意識にあって
ここにいたって初めて「そういえば沢山の仕事が必要なんだなあ」と意識化されます。
IMG_0191.jpg
ワークシートには仕事を列記する欄の隣に「○×」を記入する欄があり
ここで、今回のメインの発問その1を投げかけます。

「それぞれの仕事や役割について、亀倉さん自身が手がけたと思う物には○印、亀倉さん自らやってるわけではないと思ったものには×印を付けてみよう」

色々と考えながら生徒達は記入していきます。
「作者イコール絵を描いた人」という画家の方程式が崩れていきます。
・写真を撮る仕事(カメラマン)については早くから意見が出ます。

「写真はプロのカメラマンに任せた方が良い物ができるし、デザイナーである亀倉さんが自分で撮る必要は無いと思います。」と発言してくれる生徒が出ます。
さすがは3年生。なかなかかしこいぞ。

こういう感じで、ポスターを制作する過程の仕事に関して生徒とやり取りをしてると、「○派」と「×派」で意見が分かれる項目もあって、それぞれがそう考えた根拠を発表し合う場面もおこります。(ちょっとしたディベートですね)

そして全ての仕事に決着を付けていきます。
あえて私の方から「正解」を言ってでも決着を付けていきます。
「まさか亀倉先生自身がランナーのモデルとして走ってたりしないよなあ」なんて言いながら
黒板に列挙された役割に次々と×印を書いていきます。
この辺で教室はざわつきはじめます。

上記の5つの役割までは良いのですが、6つめにこういう仕事がありました。
・現場監督(撮影現場で采配を振るう人)・・・
これにも私は×印をつけながら「亀倉さんは現場には行っていません」と事実を述べます。

ここで教室には大きな「どよめき」が起こって、
この授業が投げかける本当クエスチョンが、生徒の前にあらわれます。
posted by kazyhazy at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 鑑賞 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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