2014年04月25日

美術部の顧問(4)月例鑑賞会

本校の運営内容を情報共有しようかな? という思いつき第4弾です。
(決して「素晴らしい運営だから真似しなさい」っていうのではありませんよ)

前回に少し触れたように本校では月例鑑賞会というのを実施しています。文字通り月一回です。今回はこれについてもう少し詳しく紹介したいと思います。
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数年前、最初に鑑賞会を始めた時の動機は不純でした(笑)
本校に赴任した当時、美術部は「帰宅部」でもあり「幽霊部」であり「落書き部」でした。
一部の熱心な部員を除いて、私の目から見ても「何のために所属しているのかわからない」生徒がたくさん居ました。
不真面目だと生徒を責めるのは簡単ですが、彼らだってやる気の出るモノに出会える環境があれば変わったのかも知れません。しかし、美術部がこういう状態であることは全国的にも残念ながら珍しいことでは無いようです。

とりあえず、現状を確認するために始めたのが鑑賞会です。これは毎月実施して、その一ヶ月にどれぐらいの仕事をしたのかを披露する会です。
逆に言えば(正直に言えば)一ヶ月間「たったこれだけのことしかできなかったのか自分は」という事実を突きつける場であったのです。

初期段階の業務改善でのPDCAのように現状認識から始めたわけですから、ガタガタ状態を立て直すには有効でした。しかし前回書いたように、ありきたりのコメントを言うだけの鑑賞で、ノルマの報告会みたいな雰囲気だったことは否めません。
当時の状況から考えると、あれも大事な経過だったのですが、いつまでもあのままで良いとは思えません。生徒同士で指示を出し合い、活動内容や役割分担を生徒同士で話し合って推進できる美術部に育った現在、同じような鑑賞会はしていません。
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まず、制作途中の作品で少し進展があった作品を5点ほど選びます。3年生と2年生から数点ずつです。
教室の前方にイーゼルをならべて簡易展示場を作ります。
最初はじっくり見る時間をとります。口を閉じて順番に見るように言いながら、見るときの観点を伝えます。もちろんそれは「わざ・もの・こと」です。
5点を見終わったら、一つ目の作品の作者から制作意図を語ってもらい、鑑賞者からその作品への意見や質問を受け付けます。
表現方法への意見、なぜそのモチーフを選んだかという質問、その主題ならもっとこうすべきではないかという提言などが飛び交います。

私の、授業での「対話による鑑賞」を経験している生徒も居るので、私の進行に慣れているということも助けになっているのかも知れません。時々交通整理をしたり、質問者に質問を返したりして対話を深めていきます。
場が十分あたたまったと感じたら二つ目の作品へ進み、ここからは進行役を生徒にまかせます
あとはまかせても大丈夫というわけです。

来週の月曜日、4月の月末鑑賞会を行いますが、なんか今からワクワクしてきました。

 


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2014年04月23日

美術部の顧問(3)わざ・もの・こと

本校の運営内容を情報共有しようかな? という思いつき第3弾です。
(決して「素晴らしい運営だから真似しなさい」っていうのではありませんよ)

さて、今日の合い言葉(?)は「わざ・もの・こと」です。
この言葉も、私が言えば部員達に通じる言葉です。
「わざ」はもちろん描く行為のことですが、「もの」は描く対象であるモチーフのことで、「こと」は主題になります。

綱引きの綱という「もの」を、強調するアングルで描いた(わざ)のは、運動会で負けて悔しかった「こと」を描きたかったから・・・みたいな例文でおわかりいただけるでしょうか。

前回の「神様が降りてくるまで」は、言わば「わざ」に関する意味合いが大きく、元々「技」や「描法」に対しては生徒の関心は高いのです。
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以前から本校美術部では月例で相互鑑賞会をやっています。そのことはまた詳しく別の日に説明しますが、他者の作品を見て言うコメントは
「少しづつ色が変わっているグラデーションのところが綺麗だと思います。」
「影が描いてあるので、立体的に見えてうまいと思います。」
というようなモノばかりで、「わざ」の上手なところを褒めなきゃ!ということに終始していたようです。

そこで描くときも、見るときも「わざ・もの・こと」の三つを常に考えましょうと、これも常に提案してきました。

すると最近の鑑賞会では、作者に対して
「なぜそのモチーフを描こうと決めたのですか?(もの)」とか
「なぜその色を選んだのですか(わざ)」
「そういう塗り方をしてどんな感じにしようとしているのですか(こと)」

という応酬をするようになりました。

もちろん作者もそれに返答しなければいけないわけですから、
自分がなぜそれを選択したのか自問自答するし
理由が言えないときには一番得をします
つまり、ああ自分はここを考えてなかったのか、ここを考えるべきなのか、に気づかされます。

だから描いているときの指導でも、「わざ」に関しては「神様が降りてくるまで色々と実験すれば?」というだけですが、「もの」と「こと」に関しては「どうして?」「なぜ?」を連発しています。

絵画教室の先生のように「こう塗りましょう」と教えることはあんまり無いです。
そういうのは別の機会に別の方法で基礎演習タイムをやってるんですが、それについてはまた次回。

  
posted by kazyhazy at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 部活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

美術部の顧問(2)神様が降りてくるまで

本校の運営内容を情報共有しようかな? という思いつき第2弾です。
(決して「素晴らしい運営だから真似しなさい」っていうのではありませんよ)

合い言葉のように何度も基本姿勢が押さえられるというのが前回でしたが、今回はもうちょっと美術寄りの合い言葉です。制作途中に私がこれを言えば、生徒達は「ああ、あのことか」と理解できるその言葉は・・・・

「神様が降りてくるまで」です。

油彩をやっている生徒が多い本校ですが、ポスターカラーの感覚が残っているせいか、ひと通り全体に塗った段階で「どうしたものか」と立ち止まることがあります。
樹木を一本描くのでも、茶色一色で塗っただけでは終わらないし、小手先で陰影を付けたぐらいでも「まだまだ」という感じにしかなりません。
そんなときに
「まだ神様は降りてきていないなあ」
なんて言います。
IMG_1982.jpg
重層的に取り組みが重ねられる油彩という描画材は、生徒が集中して何日も何時間も取り組むと、あるとき「神様が降りてきたように」何かをつかむことがあります。
それは、生徒自身が「表したい」とイメージしている状態と、実際の画面の状態が一致したときなのかも知れません。
もし樹木を描いている生徒がそういう域に達したときには、後ろから「あっ樹木の神様が降りてきてるね」・・・なんてことを言っています。

筆致の腕前ではなく、(例えば)ナイフでこすったら画面上の別の乾いていない絵の具と混ざったりして偶然そういう現象が起こります。あるいは失敗したと思って雑巾で拭き取ったら良い感じになったりすることがあるかも知れません。
小手先で描こうとしても描けないような良い状態がいきなり現れる訳ですから「神懸かり的」というのも、あながち間違いではないでしょう。

そういう偶然を引き寄せるまでやらなあかん、ということですか。

岩の部分を描いている生徒が、質問に来ました。
「先生、岩ってどうやって描けば良いんですか?」
岩を描くたった一つの正解があるわけではないのに、こんな事を聞いてくるのはよくあること。

どんな風に返答するかは、あらかじめ決まっています。
「岩の神様が降りてくるまで」
posted by kazyhazy at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 部活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月21日

美術部の顧問(1)

年度が替わってこの四月から、やっと美術部の顧問になれたという方もいらっしゃると推測します。けど、スポーツの指導なら色々と参考書が売られているようですが、美術部はそういうわけにはいきません。

「絵の描き方」みたいな本はたくさんあれど、あれを見ても美術部の運営はできないからです。

そこで、とりあえず本校の運営内容を情報共有しようかな? という思いつきです。
(決して「素晴らしい運営だから真似しなさい」っていうのではありませんよ)

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画像のように、けっこう活発に活動できているようです。こんな風になるまでに生徒達とたくさん話し合いながら「部活動のカタチ」をさぐって来ました。
その中の発見のひとつに2つの基本姿勢を常に押さえるというのがあります。

<その1>「美術部が活動しててくれて良かった」と言われる活動を目指すこと
「美術部が活動したらあちこち汚れるし道具は出しっぱなしやし・・・」と言われているようでは駄目という意味です。美術部が活動した日は整頓や戸締まりが完璧なので用務員さんや教頭先生が喜ぶ・・・ぐらいになりましょう、と活動の根本になることを機会あるたびに、ミーティングのたびに繰り返しています。

<その2>「使わせていただいている、活動させていただいている」という気持ちを持つこと
・・・・というのも時々言うようにしています。<その1>と似ているかも知れませんが、微妙に違いますかね。義務教育の授業みたいに「教えてもらって当たり前」なのではありません。自分が「活動したい」と希望するから、学校は特別に場所を提供し、教師は本務以外に時間を割いているのだという点を押さえるようにしています。

これは、美術部に限った話じゃなくて全ての部活動に通用することでしたね。

そこで次回は「美術部ならでは」の合い言葉、顧問も生徒も何度も繰り返して定着している合い言葉を紹介しますね。

posted by kazyhazy at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 部活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月27日

美術室の改装

4月から美術教師に復帰すると言うことで
準備室の掃除と美術室の改装に取りかかっています。
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壁も薄汚れ、画像には写っていないサイドにも飛び散った絵の具などがついています。
用務員さんから補修用のペンキを借りてきて白く塗り直していたのですが、そこは美術科。ただただ白く塗るのに飽きてきて、ペンキの中に余ったアクリル絵の具を入れて少し色味を変えて勝手なことを始めてしまいました。

IMG_2002.jpg
翌日、美術部員達が装飾を加えてくれて、美術室から準備室へ入るドアは、ペンションの入り口のようになってしまいました。ドアを開けると、中は用具であふれた準備室があって幻滅しちゃうんですけどね。

さりげなく校内放送のスピーカーも統一色で塗られているのわかります?

  
posted by kazyhazy at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 部活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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