2014年05月13日

美術部の顧問(10)美術部内同好会?

本校美術部には
「美術室でしかできないこと、美術部でしかできないことをやろう。(つまりマンガや落書き程度の家でできることをしてはいけません)」
という約束があります。

特に、マンガやイラストのマニアではない生徒にとっては全く問題ありません。マンガやイラストが好きな生徒も油絵の大作に取り組んでくれているのですが、時々マニアの血が騒ぐようです。

そこで「イラスト競技会」なるものが生まれ、部活内の係活動として機能しています。
IMG_2099.jpg
■部活動の開始時にまるで朝学活のようなのを部長が司会でやっていて、出欠確認や「本日の一年生指導役」確認や連絡事項を伝えるのですが、そこでイラスト係からも「題材の募集」があります。
部活の時間にはできませんから、家で趣味で描いたマンガやイラスト(線描のみ)が集まります。
■今回はどれを「お題」にするか、係の子が決めます。
■数日後の開始時に係から「お題が決まったので着彩のチャレンジをする者を募集する」旨が告知されます。
 何人が応募するかがわかると、人数分の画用紙をサイズに切って私の所に持ってきて、「〜人分コピーしてください」と言ってきます。
■下絵がコピーされた画用紙がチャレンジャー達に配布されます。
 これも部活の時間には取り組めないルールなので、やりたい生徒は家でイラストの着彩を楽しみます。
■係から締め切りが告知され、集まった作品は掲示されます。日程が月例鑑賞会に近ければ、そこでも並べて、それぞれの工夫をたたえます。


色々と紆余曲折を経て、このようなカタチに落ち着いて、生徒主導で推進されています。
ちょっと現状を考察してみます。
◆イラストやマンガをやりたい生徒の気持ちも少しフォローできた。
◆イラスト競技の締め切りが近いからといって本業をおろそかにする子が居なくなった。
◆同じ下絵を使うことで、バラエティに富んだ表現の工夫を競うことができる。
◆同好会のように、やりたい生徒だけが主体的に運営できるので他の生徒も納得できる形になった。

・・・という感じでしょうか。

新聞製作係だけでなく、こんな係も機能するもんですねえ。

  


posted by kazyhazy at 20:40| Comment(1) | TrackBack(0) | 部活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月05日

美術部の顧問(8)如意の力4

本校の美術部の活動内容を情報共有しようかな? という思いつき第8弾です。
(決して「素晴らしい運営だから真似しなさい」っていうのではありませんよ)

今回の記事で紹介しようと思ったのですが、すでに書いちゃった「美術部員だけに行う梶岡の授業」というのがあります。昔は授業でやっていて今はやらなくなった
三原色、明度、彩度 混色の仕組み」とか
一点透視、二点透視」などに加え、美術部向けに考えた
「マチエール(質感)とは何か」
「ミクストメディアから学ぶ」
「光源と陰影の関係」
「補色を使うとどうなるか」
「画風というものを見つけよう」

というようなタイトルのの講義を20分ぐらいでやります。(まだ実施していないタイトルもあります)
IMG_2037.jpg
話を聞いている生徒達の机上に、同じようなケースが並んでいるのが見えますでしょうか?
全員が持っている100均のブリーフケースの中にはクリアファイル、無地ノート、鉛筆、練り消し、などが入っています。クリアファイルには、こちらが印刷して渡している毎月の予定表やミニ課題、雑誌などから自分で切り抜いたスクラップなどを入れて資料作りをするように渡してあります。
無地の(白紙ばかりの)ノートは、普段は自分の構想用ですが、月例鑑賞会と、こういう「講義」の時はノート代わりになります。

教科の授業ではやらないような専門領域に一歩踏み込んだ話や課題なんですが、(全員ではないですが)多くの美術部員が興味を持ち、「知りたい」「教えてほしい」という意思表示をします。
「美術による学び」ならぬ「美術を教え込む」ような時間なんですが、すべてがコレという訳ではないので「たまには良いかな?」と思っています。

東良調査官の講話に「やるべきこと」を「やりたいこと」に、そしてそれを「やれることに」できるような授業にしなければいけないというのがあります。(これは授業の事なんですが)
「やりたいこと」がかなり専門的になってきた美術部の生徒達には、それを「やれること」にしてやるには授業とはまた違うアプローチが必要みたいです。

大橋功先生の講話に、やりたいことを実現するために「自在に操れる力」のことを如意の力と喩えられたことを思い出してタイトルに借りました。

  
posted by kazyhazy at 23:22| Comment(1) | TrackBack(0) | 部活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月03日

美術部の顧問(7)如意の力3

本校の美術部の活動内容を情報共有しようかな? という思いつき第6弾です。
(決して「素晴らしい運営だから真似しなさい」っていうのではありませんよ)

「課題ファイル」という、まるでドリルか何かのようで誤解されそうなモノがある、という話のつづきです。なんかまるで「後ろめたいこと」をやっていて、その言い訳を綴っていたような気もしますが、別の観点で生徒の様子を紹介します。

過渡期の美術部ではよく見られる光景で、美術室のあちこちでかって勝手に好きなことをしているというのはありませんか?運動部のように元気が余っているわけでもなく決して社交的とは言えない生徒も多く、他の人が何をやっているのか知らなくても「私平気よ」みたいな雰囲気です。
授業.jpg

課題シートにどんな効能があるかというと、技法のことなんかどうでも良いぐらい部員達に共通の話題ができるというのがあります。同学年なら全員が同じ課題をするのですから当然かも知れません。そして与えられた壁であっても、どうすれば乗り越えられるかを互いに教え合って解決するという土壌ができます。
これは「美術は各自の個性の賜物で、独創的で孤高の存在だから・・・」という作家スタンスで運営していては生まれない雰囲気です。

さらに次の年に相乗効果が現れます。
新入部員が入ってきて同じ課題が与えられると、去年自分たちが苦労してクリアした課題なので「後輩にアドバイスしよう」「教えることができる」という気持ちになります。

今では1年生が帰った後に、2,3年生だけを残して「話し合ってごらん」と水を向けるだけで、1年生へのアドバイスに対して「こういう風に説明すべきだった」「時間のロスがあったのでアノ段階で準備を済ませておくべきだった」「この課題から先にやったらどうだっただろう」などと進行役も生徒がしながら(我々の)授業研究みたいなことをすることができるようになりました。

たぶんメインの制作(油彩などの大作)の場合なら「私は美術教師じゃないんだから、他の人の絵に指導なんてとてもとても・・・」となるんでしょうけど、目的がシンプルでゴールのわかりやすい課題だからこそ自分の経験を人に伝えたいと思うんじゃないでしょうか?

こういうこともあって「短絡的だ」と怒られそうな共通課題を今もやっているという訳です。

  
posted by kazyhazy at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 部活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月01日

美術部の顧問(6)如意の力2

本校の美術部の活動内容を情報共有しようかな? という思いつき第6弾です。
(決して「素晴らしい運営だから真似しなさい」っていうのではありませんよ)

「課題ファイル」という、まるでドリルか何かのようで誤解されそうなモノがある、という話でしたね。
実際、これみたいな授業をやったとしたら大顰蹙ですよね。
(こういう「描き方」「作り方」を教える授業をやっちゃってる人も多いかも知れないけど)
budou.JPG
まず、なぜこれを授業でやったら顰蹙なのかというと、完全なHowToだからですよね。
授業なら最初に「こんな風にやってみたい」「こういうことがやりたい!」という気持ちを育てる部分があります。そしてそれを主題へと昇華させるように進めます。(そうありたいです)
気持ちや主題をはぐくむパートが、授業にとって最重要のパートであり、その後で初めて「どうやって実現するか」というのが出てくるわけです。

ところが、美術部員の場合(曲がりなりにも)「絵が描きたい」「あんな風に描けるようになりたい」という気持ちの部分を持って入部してきます。そして主題の生成でも、「こんな絵を描いてみたい」「次はこんな作品を!」というイメージを持っている場合が多いです。
そこが不十分な場合でも、すでに紹介した「わざ・もの・こと」や、その合い言葉を使った月例鑑賞会で勉強します。

だから、いきなりHowToが登場しているようで、「実はそうではない」という感触を得ています。そして生徒達には「せっかく美術部に入ったんだから色々な技を知りたい」という欲求もあるし、「授業ではやらないようなことも教えてほしい」という気持ちがあります。それに応える課題でもあると言うことです。

後日紹介しようと思ったのですが、実は「美術部員だけに行う梶岡の授業」というのもあります。昔は授業でやっていて今はやらなくなった「三原色、明度、彩度」とか「一点透視、二点透視」とか「マチエール」などの講義を20分ぐらいでやるのですが、「そこが知りたかった」という話の時には貪るように聞いています。(人によって興味を持つ話は色々ですが)
美術部に入ろうかという子たちは、そういう欲求があるんですね。そして「そこまで思っていなかった」という生徒も、話を聞いて初めて知って目覚める場合もあります。

・・・・けど制作に入ったら「神様が降りてくるまで」やりなさい、と突き放すのですからコントラストが激しいですね。「基本は教えるけど自分たちで工夫したり発見したりすることを邪魔したりしないよ」という訳です。

授業での美術教育と、美術部の中での美術を混同せずに考えて実施してるつもりなんですが、どうでしょうか?色々なご意見をお待ちしております。

次回は「課題ファイル」をやることによる生徒間のコミュニケーションについて書きますね。
 
posted by kazyhazy at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 部活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月29日

美術部の顧問(5)如意の力1

本校の美術部の活動内容を情報共有しようかな? という思いつき第5弾です。
(決して「素晴らしい運営だから真似しなさい」っていうのではありませんよ)

前々回で「基礎演習タイム」という言葉が出てきて、後日紹介すると書きましたが、今日はそのことについて書いてみようと思います。
これも、活動を立て直す時期に始めたことなので、今となっては「これでいいのか?」と悩んだりすることもある活動で、ぜひ皆さんのアドバイスをいただけるとうれしいです。
kadai.JPG
当時、美術室のあちこちに女子特有のグループがあって、かって勝手に漫画や好きな絵を落書き程度に描いていた時代、「なんとか共通の話題で話し合ったり教え合ったりすることはできないか?」と考えていました。
これが団体戦の運動部や吹奏楽部だったら悩むことはなかったのかも知れません。いやいや個人戦の剣道部でも将棋部でも、やることが明確で目指す方向がハッキリしているのでこんなことにはならないでしょう。

美術部には活動を一本道にして、共通の目標を持たせてもいいのか?というジレンマがあるからです。

悩みながらも上の画像のような課題シートを作り、活動を二本立てにしました。
つまり、油彩などの自分のメインの作品と、合間に行うミニ課題を同時に行うようにしたわけです。

ちょっとしたコツを紹介できて、短時間でできて、納得いくまで何度でもやり直せて、神様が降りてくるまでやり込む以前に知っておくべき基礎的内容で、うまくできるとちょっと嬉しい・・・・というのを目指して10枚ほどシートを作りました。

長くなりそうなので続きは次回に。

 
posted by kazyhazy at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 部活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
にほんブログ村 教育ブログ 図工・美術科教育へ
にほんブログ村
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。