2016年09月07日

校内研日和(14)

以前の文章に、ちょっと仮説の話題が出た時にも、仮説の扱いが難しいので「また後日」みたいな感じでうやむやにしておきました。

実は8/30の校内全体会でも「仮説の扱いの難しさ」については話題に出して、私からの話と外部講師の方の話を交えて説明するという一幕がありました。
その時の内容も含めながら、校内研(学校研究)における仮説の問題を何回かに分けて書いていこうと思います。

<学校における仮説検証の問題1>

そもそも仮説と言うのは自然科学の研究で多く見られるものなのではないでしょうか?学校が生徒相手に「どのようにして行けばよいか」を考える校内研(学校研究)なんかで使えるものなのかどうか疑問が残ります。
自然科学の場合は「たぶんこうなのではないか」という仮説を基に、複数の条件で観察をしてみてデータを蓄積したり、実験したりして「仮説は正しかったのか」「間違っていたのか」を確かめることができます

つまり学校において、このような科学的な検証が可能なのかということが問題なのです。

IMG_0351.jpg

学校・研究・仮説などのキーワードで検索すると、○○中学校校内研究や○○県教育委員会など、山ほど仮説を使っているところが出てきます。

「これこれこのような道徳教育を推進することで、生徒は自己肯定感を高め、人間関係の課題を乗り越え、生き生きと学校生活を送ることができるであろう」

「これこれこのような教材で、このような工夫をして授業をすれば子供たちは瞳を輝かせ、主体的に学習を進めながら理解を深めるであろう」

・・・・などなど、たくさんあります。
これらは、仮説が正しかったかどうか検証できるのでしょうか?
仮に検証できたとして、
検証の結果「仮説が間違いであったことがわかった」なんて事態がありうるのでしょうか?
検証の結果、仮説が修正されるのは、それはそれで進歩ですから悪いことではないのですが、間違いを認めて修正しながら進めるという、そんな真面目な校内研(学校研究)は聞いたことがありません。

この辺は以前にも書きましたね。予定調和というやつです。
PDCAやコンプライアンスの考え方が学校に入ってきて、良い部分もたくさんあるのですが、その考え方を当てはめなくてもよいところに当てはめてしまったのでこんなことになったのかもしれません。
一世を風靡したPDCAも仮説も、雑に扱っては良さが生きてきません。結構絶妙な導入の仕方をしないといけないはずなのですが、そのことはもう少し後で書きますね。



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2016年09月05日

校内研日和(13)

8月30日に校内の全体会をしたという話の続きです。
美術鑑賞の授業を全職員の前でやったというアレの後です。

本校の校内研は、学び合いが発生するような「課題設定の工夫」に主眼があります。
そもそもなぜ鑑賞の授業を見せたかと言うと
私は鑑賞の授業の中に、様々なタイプの課題設定をひそませておいたので
「色々な課題の設定方法があるんだなあ」と知ってもらえたと思います。
◆何が見えますか 何が描かれていますか
・・・は、共有のための基本の課題
◆根拠を持って対話によるやり取りをさせるオープンクエスチョン
◆班で協力して答えるクローズドクエスチョン
◆思考を深めないとたどり着けないジャンプの課題

というのを混ぜておいたという訳です。

外部講師の講話も挟み、課題の設定の仕方をレクチャしてもらって
ここで校内研は演習(ワークショップ)へ進みます。
受け身で聞いてもらうばかりでは申し訳ないので、やはり実際にやってもらおうという訳です。
あらかじめ各教科の若手には「2学期に実施する授業で予定している課題」を書いておいてもらってありまして、ここで教科ごとのチームに座席移動します。

まずは書いた本人、若手教師が「どのような意図で授業にどんな課題を設定したか」を説明しています。
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授業の目的に照らして、どういう課題設定をすれば生徒は興味を抱き、自分の頭で考え、班で相談し、悩んだり試行錯誤したりするのか、先輩教師を交えて「学び合い」です。
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相談がまとまったら、この紙に記入です。

ビフォー.jpg
例のテレビ番組のパクリで
ビフォーが、どのようなアフターになったかを公開してもらいます。

「あああ、忙しいのに今日は校内研か。めんどくさいなあ」
なんてセリフを言わせない、実際に役立つ校内研も目指しています(笑)
posted by kazyhazy at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 校内研 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月01日

校内研日和(12)

さて昨日紹介した
美術鑑賞の授業を全職員に披露した話ですが

このブログにたまに登場する6年目のK君にはアシスタントをしてもらいました。配付物を配ってもらったり板書を手伝ってくれたりです。
彼も近々この授業を生徒にすることになるので、これで予行はバッチリです。

このブログにしょっちゅう登場する初任者Yさんは生徒役でした。

授業の後は授業研です。
1学期の校内研でも使ったこれ↓
CIMG8005.jpg
・・・を再び使って話し合いです。今回の協議の柱は 
「参考になる課題提示があり、勉強になった点を発表したい班」
「改良点や疑問点について質問したい班」
のカードを出すようにお願いしました。

赤の班を指名して、班の中の誰か発表してくださいと頼むと
数学の先生が
「非常に興味深い授業だった。この授業の前後について生徒の学びの段階を教えてほしい」という質問をいただきました。
数学なら因数分解が終わっていないと二次方程式は解けませんから、順番は重要です。
そこで
「時数の少ない教科なので前後に鑑賞をいれて3時間も鑑賞に費やすことはできない。だから前の学期にどうだったか、前の学年でどこまで育ったかが重要になる」というような話をしました。

また別のチームを指名しました。
ランダムなメンバー構成なので色々な教科の先生が集まっているはずなのに、なぜかこの班も数学の先生が代表して質問されました。
「授業の最後にもっとこの作品の良さや作者の素晴らしさを押さえた方が良かったのではないか」という質問です。
本当に数学の先生か?と思うほど美術の研究会みたいになってきました(喜)
「教師が作品を素晴らしいと思っていても、それを結論として生徒に押し付けるわけにはいきません。作者の凄さも同様で、それは鑑賞者が判断することです」と返しました。
鋭い突っ込みに一瞬ドキッとしましたが何とか返事しています(汗)
IMG_1410.jpg

また別のチームを指名しました。
するとなぜかそのチームの中からまたまた数学の先生が立ち上がりました(笑)
数学の先生は熱心なのか・・・、数学の先生に恨まれているのか・・・
「私はテレビでピカソの特集を見て非常に感動して、もっと見たいと思った。その時の作品を深く味わう感覚までは今日は到達できなくて、少し分析的な鑑賞だなという印象を持った」
・・・とのこと。
本当に数学教師か?!(笑)

これに、どう答えたかと言うと
「生徒は初めて作品を見て、その授業の中でだんだんと見方を学んでいきます。”何が見えますか?”という初歩的な発問から入って、生徒の学ぶ様子を見ながら、生徒の呼吸に合わせて授業を少しずつ前に進めます。だから”この段階に到達できていない”と判断するより”やっとここまでは到達できるようになった”と育ちを見取ってやるのが良いでしょう。」と答えました。
この日は亀倉雄策の「東京オリンピック」の鑑賞だったので
このことも付け加えておきました。
「ピカソやルノアールなどは純粋芸術になります。授業では純粋芸術の鑑賞以外に、今日のようなデザインの鑑賞や仏像のように歴史的文化的な鑑賞もやります。当然、授業のやり方を少し変えますので、先生(質問した先生)の違和感の理由は、純粋芸術ではないデザインの鑑賞だったからということになります」

6年目美術教師のK君も「他教科の先生から意見をもらえて新鮮だった」と喜んでおります。
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2016年08月30日

校内研日和(11)

今日は校内研全体会。
午後から全職員で研修会です。

本日のメニューは、
若手教員を生徒役にして
なんと私が美術の授業を職員に披露するところから始まります。
IMG_1401.jpg

やったのは学会でも紹介させていただいた
「東京オリンピック1964(亀倉雄策)」の鑑賞です。
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美術の鑑賞の授業と言うのは(やり方にもよりますが)
他の教科の参考になることがテンコ盛りです。
どうだ他教科!
ひれふせ!
美術科から学ぶのじゃあ!
うははははは(美術科至上主義者の叫び)

冗談はさておき
生徒の意見を尊重して引き出すところや
生徒自身の考えや解釈が生まれるところ。
それをうまく返したり、他の意見と組み合わせたり
揺さぶったり悩ませたりするところを見ていただきました。

生徒役の先生方も、まるで生徒のように
真剣に悩んで考えながら作品を鑑賞してくれたのでよかったです。

美術と言う教科の理解にもつながれば嬉しいところです。

(これが本日の校内研の3つのパートのうちの一つ目です。)
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2016年08月28日

校内研日和(10)

「学び合い」を浸透させるために教室に掲示物がありました。
分からないことがあったら、遠慮せずに友達に相談しようとか、
相談されたら聞いてあげようとかの文章が載っている掲示物です。
それを作り直したのは5月ごろ
そのことをまだ書いていなかったと思い出して今頃アップ。
ルール.JPG
長い文章で4つあったのを
短い文章で3つにまとめました。
そして
白黒のワープロだったのを
イラストレータで作り直しました。
ベジェ曲線を引っ張って、文字に特徴なんかも出してみたりして。

けどまあ
これってあんまり効果ないんですよね。
一応これまで貼ってあったので、どうせ貼るなら分かり易くて見やすいものにと作り直しましたが、これを貼ることで生徒にどういう変化があったかの検証なしに手を付けてしまった感じです。

こういうのって他校の先生が見学に来られた時には、その先生の目について、「ああこの学校は、こういうことを合言葉にして取り組んでおられるのか!」感心してもらえるという効果以外はあまりないんじゃないのでしょうか。

うまく活用されている学校があったら
アドバイスいただきたいです。

posted by kazyhazy at 14:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 校内研 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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