2017年01月11日

展覧会をどうするのか(10)

便宜上ここまでは乱暴にも
全国的な展覧会、レベル、市町、の3つに分けて
そこから見えることを書いてきました。
書き始める時は、そんなことは思いもしなかったのですが
「県レベルの展覧会がかなり面白いことになっています」よね。!

これは県以外の他が万全ということではありません
良し悪しは別にして単に安定しているだけです
そして県レベルの展覧会は、問題だらけってことではなく、
存在意義の設定次第かなり変われる可能性を持っていて
今後は色々と期待できるのではないかという感触をつかみました。
nandemo.jpg
規模別に3つに分けましたが、この3つに属さない展覧会というのがありますよね。
例えば上の画像。
これは数年前に埼玉で開催された「図工美術なんでも展覧会」の会場です。
美術教育の良さを展示しようとすれば、生徒作品だけではわからないところもあるので
美術の授業自体も公表しよう!
美術教師の研修会も公開しよう!
ということで、こんな風に(美術館なのに)教室のような椅子と机があるのです。

多くの個性的な美術教師が集結し、この場で授業を公開しました。
私もこの場で(一般のお客さんが横を通る中で)教員ワークショップ(アクション会議)をするという貴重な体験をさせていただきました。
そして!鈴野さんと初めて出会ったのも確かここでしたね(はあと)

しかし!
今日は鈴野さんはどうでもよくて(笑)
この展覧会の一角を大きく占める別の男の話をしなければいけないでしょう。
tanaka.jpg
生徒が作った飲み物ラベルデザインの作品を展示するために「自動販売機を手作りした男」であり、「美術の時間」展を生み出した男「田中真二郎君」です。
bijutunojikan.jpg

今連載している、この「展覧会をどうするのか」を語る上でどうしても外せないのが「美術の時間」展でしょう。
という訳で、いよいよその田中先生が滋賀に来ます
明日は準備と懇親会。金曜日が研究会当日です。
直接インタビューによって、展覧会について語り合いたいと思います。

今からでも滋賀の研究大会に来たくなった?


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2017年01月10日

展覧会をどうするのか(9)

県レベルの展覧会が迷走してるようだという印象を受けましたが
これは一体どういうことなのでしょうか?
県レベルの展覧会はどうなっていくのでしょうか?

先日のアートクラブグランプリ in sakaiの冒頭のあいさつで
「このグランプリでは、変な平等主義や教育的配慮を排し、真に作品の力だけで・・・」
というような言葉があったと思います。
授業ではない「部活動」で、しかも「全国」なのだから頷けると思います。
tenrankai.jpg
そこで、募集の規模と展覧会の目的を構造化してみました。
そこから県レベルの展覧会の在り方を見ていきましょう。
◆中くらいの競争率であること
 全国ほどではないにしろ、人口の多い県ならば全国タイプの展覧会に近づいていくのも仕方がないかもしれませんね。競争率が上がるので審査のレベルは上がるけど、作品主義的になりがちな点をどのように解決していくのかが一つの視点になるでしょう。
◆配慮では負けてしまうこと
 人口の少ない県は、バリバリの作品競争になる危険が少ない分、市町村レベルの展覧会との区別がつかなくなる可能性があります。同じような作品が出品され、同じように展示されることになります。
しかし規模の小さい県でも運営組織のタイプが違いますから、市町村レベルのような「きめ細やかさ」は出せないと思います。つまり「良いとこなし」に陥る危険があるのです。

じゃあ
「何のためにやっているのか」と。
その展覧会の存在意義が問われるのです。

県の展覧会は・・・・・
変に全国展に寄せて権威ぶる必要もないし、市町村に寄せる必要もないと思います。
いっそのこと美術教師の授業の研鑽のためだけの展覧会にしよう!というのなら
それはそれでもいいと思います。
この場合は審査されるのは授業であり、授業をした教師です。

これに限定する訳ではなく、とにかく曖昧にせず
どういう目的の展覧会なのか
 その目的のためにはどうあるべきなのか
  だからどの部分を変えて行くのか・・・・

常に語り合える組織でないと、存在する必要のない展覧会になる日も近いでしょう。
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2017年01月09日

展覧会をどうするのか(8)

◆展覧会の賞が立派すぎる
ある県の美術展ですが・・・・・
〔個人賞〕
大賞(1点) 準大賞(3点) 特選(9点) 準特選(9点)
金賞・銀賞・銅賞・奨励賞・入選

〔団体賞〕
県知事賞(2校) 県議会議長賞(2校)
県教育委員会教育長賞(2校)
県市町村教育委員会連合会会長賞(2校)
県小学校教育研究会図画工作部会会長賞(2校)
県中学校教育研究会美術部会会長賞(2校)
県PTA連合会会長賞(2校)
新聞社社長賞(4校) 県美術教育振興会会長賞(5校)

という賞がズラッと要綱に並んでいます。
団体賞を取る先生は格が上がるというか拍が付くんだそうです。
だから賞を取るためのノウハウが出回ったり、賞を取った先生が威張ってたり、失敗した先生に罵声を浴びせながら画用紙を破って捨てるというドラマもあったそうです。
(一体何をどうすればそういう場面になるんだ?)

◆賞を受け取る側が立派すぎる
逆に保護者の方が美術展の賞を立派にとらえすぎていて
主催者側は「それほどでもない」なんていうギャップもあるようで、
入選した本人や家族が
「ピアノの発表会か?」「社交ダンスか?」
という感じのドレスやワンピースで登場したけれど
代表者が壇上に上がるだけで、ほとんどの入選者はその場で名前を呼ばれるだけ・・・
というような苦笑してしまうようなこともあったようです。
ただし、これに関してはお子さんの美術展の入選を、それだけ大事に思ってくださっていたというんだから、誉められてしかるべきとも言えます。
昨日アップした記事では、全国展の表彰であっても制服だったのですから、県の展覧会でそこまで気合を入れてくれる保護者が居るというのも有難いことなのかもしれません。

posted by kazyhazy at 18:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月07日

展覧会をどうするのか(7)

さあて、それでは「秘密のけんみんSHOW」にいってみましょうか。
やはり県の壁は国境のように厚く、人事的な交流が無いので独自の発展をしてしまうようですね。

◆作品展だけでなくジャンルごとの展覧会がある!
滋賀県も昔そうだったのですが、色々な作品があつまる大枠の作品展以外に
「クロッキー展」とか「版画展」というのがあります。
もちろんクロッキーや版画しか出品できません。
それに出品する多くの学校は、その時期になると一斉に授業が版画ばっかりになったりして、授業内容や計画に影響を及ぼすという本末転倒な迷惑をかける展覧会です。
出品しないと「なぜ出さないのか」なんて言われるのなら、
やりたくなくてもクロッキーや版画を授業しなければいけないことになってしまいます。(笑)
【A】うわあ、迷惑な話やなあ。そんなバカな話ってある?
【B】えっ? 美術でクロッキーや版画ってしなくて良いんですか?

さあ、あなたの正直な反応はどっち?

◆購入した台紙の枚数で出品数が決まる!
展示に都合が良いように、作品同士を連結できる穴の開いた台紙があるそうです。その県その展覧会専用に指定された台紙を何枚購入したかに応じて、出品できる枚数が決まるんだそうな(笑)
【A】そんな変な出品方法って聞いたことない!!
【B】えっ? どこの県でもこのようにやってるんじゃないんですか?

さあ、あなたの正直な反応はどっち?

ちなみに、この専用台紙は四つ切の絵画作品にしか対応できませんから、授業で絵を描かせるのなら「このサイズ」ってのが展覧会によって規定されるというお節介な現象が発生します。
「うちわのデザイン」なんかの作品は、形状が大きくはずれるので「台紙を購入しなくても出品できる」という抜け穴があるもんだから、なんとか「抜け穴を通れるような授業内容にしよう」とする教師も現れ、またまた授業内容が展覧会によって歪められてしまいます。
「うちわのデザイン」はセーフだけど「うちわに絵画」を描いたらアウトなんだそうです(笑)
これはアウトだ!無効だ!とダメ出しをする教師がいるというのだから大笑いです。
DSC02626.jpg

◆入賞のための傾向と対策がある!
かつて、ある県で経験の浅い先生が展覧会で写真を撮りまくっていたそうです。
まあ私も写真は撮りますし、研究熱心なのは良いことなのですが・・・・・
その後その先生は撮った写真を使って入賞作品のパターン分析をして!
良いパターンを拡大印刷して生徒に写させていたそうです!
【A】バカじゃないだろうか
【B】熱心で良いじゃないか。当り前の事だろ

さあ、あなたの正直な反応はどっち?

その地域は指導主事も同系統だと聞きます。
展覧会の総括の場で出品された先生方に向かって
「入選するためにどんな構図が良いか、いかにそれを自分は研究したか」
を語ったそうです。さらに「どれだけ上の賞に入ったか」も自慢されたそうです。
最初からこういう所に居てたら、それが当たり前のようになるのでしょうか?

私も必死になって傾向と対策を研究していたかも(笑)

<ひきつづき、皆さんの県の展覧会の情報を募集しています。>

posted by kazyhazy at 17:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月06日

展覧会をどうするのか(6)

昨日書かなかった県の美術展ですが、
これがまたチョット書きにくいクセモノなので後回しにしました。

滋賀県の場合は二種類あって
まず最初の記事で審査会の様子を書いた県中美連主催のものがあります。
これはもちろん中学校だけです。
もうひとつは、県の部会が取り仕切っている教育美術展。
これは幼小中が所属する大きな組織で作品数も跳ね上がります。
shiga.jpg
この教育美術展を鑑賞できる研究会も全体会は幼小中合同で、
どこかの学校の体育館が会場だったり、ホールを借りたり、特選以上の秀作展巡回展があったりと、大規模で大所帯ということになります。

昨日の全国レベルの話や市レベルの話は、たぶん皆さん共通する話題として「良い点も問題点も」うなずいてもらえるような気がするのですが、県レベルだけはなんか
「県によって全く違う!」
「ウチの県はそんな感じではやっていない」

という反応になりそうな予感があります
上に紹介した滋賀県の様子だけでも「県だけで二種類あるなんて変だ」と感じる方もいるかもしれないし、
私はあまり出品に積極的ではないのですが「出さなくても許されるんですか滋賀県は!」と驚かれる先生もいるかもしれません。

知り合いにデッサン調の自画像の授業を得意として、かなりヤラセのごとく描き方を教え込む先生がおられます。
出会うたびに叱り飛ばしてるもんだから
「最近はズバズバ言われるのが快感になってきました(笑)」
などと開き直っておられるのですが(笑)、
よく聞いてみるとその先生も、その県の展覧会の被害者だったりします。
関東のその県では、強制的に出品しなければいけない展覧会がいくつもあり
ある程度のレベルの作品を量産しなければ追いつかないらしいです。
同県の他校の作品も「そういう作品」が集まるもんだから、保護者の目もあるので
「自校の作品だけが下手に見えるようでは困る」
とばかりに上手な作品が生まれるような授業へと全県的に変貌していったのかもしれません。

「何ということだ!」「どこの県なんだ一体!」
と思われる先生方はきっと
「自分とこの県の展覧会こそが普通だ!」
なんて思ってやしませんか(笑)

ちゃんとリサーチしたわけではないですが、県レベルの展覧会が一番クセモノのような気がします。
「秘密のけんみんSHOW」という番組のように
他府県の様子が紹介されたら「え〜!?」という声が上がるんじゃないでしょうか。

きっと普通の県なんて無いんですよ
ぜひ皆さんの県の様子を聞かせてください。

posted by kazyhazy at 20:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 展覧会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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