今日は
大阪の北川綾子先生の取り組みを紹介します。
すでに第一報はFacebookで紹介されているので見た記憶のある方もいるかもしれませんが、ご本人に詳細を聞かせてもらいましたので、
経緯なんかも紹介していきたいと思います。
この展覧会は、
中学校区のだけの幼小中作品展であるという特徴があると思います。こういう取り組みは全国
どこででも見られるものではありません。
数年前に校区が荒れた時に
小中連携が強化され、様々な交流や研修が持たれたそうです。出前授業をしたり子供のリーダー研修をしたりと
教師も生徒も意識が高まり、少しずつ落ち着きを取り戻していきました。
北川先生は
市内美術部展を立ち上げた人物として校長からの信望もあり、
「そういう人材がいるのだったら実施できるのではないか」とばかりに各校園長たちが結束して企画を立ち上げたと聞きます。
管理職が力を合わせれば話が早いです。段取りなどもスムーズだったようです。
こうして合同展覧会が開催されることとなった訳ですが、この展覧会には
もう少し特徴があります。保護者や、地域の方が見にきたときに、誰の作品がどうだ…というふうに見て欲しくないという思いから
作品は無記名なのです。それでも、子供が見に来たときに
「私の作品もちゃんと飾ってくれてる!」「私もこの地域の一員だ」と感じてもらえるように、また
「こんな作品を作る子たちが地域にいる」「これだけの子供が地域にいるんだ」と感じてもらいたくて、
「全員展示にしたい」と
北川先生は主張されました。
「選ばれた作品だけ飾るのは優劣をつけるってこと」なので、それをするなら
「私はやらない」ってくらいの勢いで言ったそうです。
もう北川先生には感服してしまいますね。
全員展示にすると、小学校の作品なんかには
「ひとクラス分全部が似ている作品」になりがちなのは全国どこにでもある話で、今回も少しその傾向があったそうです。ただ、そのことが
先生方の話し合いの機会を生んだり、違和感に気づく小学校の先生が居たり、という収穫があったのも
「この全員展示」の賜物だったそうです。
無記名って所はなかなかの
冒険ですね。生徒の自己表現である作品が無記名というのに
抵抗のある先生も居らっしゃるかもしれません。
無記名で全員展示だったら
「指導者の授業紹介」であったり
「学校の取り組みアピール」になってしまわないかと心配される先生も居らっしゃるかもしれません。
けどこれは
「第一回合同展」なんですから、
ここまで実現できたこと自体が快挙だと思いますし、今後に改良の余地はいくらでもあると思います。
いまちょっと思いついたのですが、名前のラベルを付ける代わりに
「子どもが画用紙の隅っこにサインを必ずいれる」ってのはどうでしょうかね?
それと、作品にラベルはつけるけど作者名は無しで、
子どもが書いた表現意図や表したかったことだけを載せるってのもどうでしょうか?
(すいません。ただの思い付きで)
posted by kazyhazy at 22:27|
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