2016年11月03日

番外編の美術(6)

数年前、三重県の国道で車を運転して目的地に向かう途中
なぜだったかこの番外編とも言える美術の話題になりました。
助手席に乗っていたのは文科省教科調査官のH先生(バレバレ笑)
IMG_1189-780x520.jpg

発想構想をすっ飛ばして創意工夫に直結するような活動が増え、
特に美術教育に敏感で熱心な先生によって実践され、
中学校や高校なのに造形遊びが有効に働いているように見えるのだけどどうか?

・・・というようなことを聞いた記憶があります。

文科省のH先生が京都弁で (バレバレ笑) 答えてくれたのは
学習指導要領的にはダメだとのこと。
中学生ともなれば主題を生成したり構想を持ったうえで取り組んでもらいたいとの返答でした。

やはり番外編だったか。
王道のメインありきで補足的に番外を入れるしかないようです。
(まあ、元からそのつもりでしたが)

先日、近所の小学校へ行ったら
12色相環を正確に塗ったような小学生の作品が廊下に貼って合って愕然としました。
別の小学校には「近所の風景」を全員に一点透視で描かせた5年生の作品もありました。

地域の展覧会を実施すると
一緒に展示している中学生の作品が小学校の先生の目に留まります
小学生よりは上手に見えますから
「あんな風に描けるように育てたい」
・・・と思ってしまうのでしょうか。(小学校の先生に訊きました)
中学校の授業が(あまり良くない実践に限って)小学校へ流れます。
私だったら中学生相手にだってそんなつまらない授業はしたくないのですが、そんな授業を小学生にやってしまうらしいですね。

中学校の授業を小学校が真似て授業し
小学校の造形遊びを中学校で行う・・・不思議な現状です。







posted by kazyhazy at 10:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月01日

番外編の美術(5)

Facebookもご覧になっている方は、昨日の記事に岩佐まゆみ先生から返信が入ったのをご覧になったと思います。
そこにはこんな素敵な画像を付けていただきました。
iwasa.jpg

やっぱり良いですね。
生徒たちが生き生きと活動する様子が目に浮かびます。

本校はデザインセットの中にマゼンタをオプションで入れていますので
からへのグラデーションがもっと楽です(笑)
彩度も高くなります。
堤先生だったかソン先生だったか
それを解決するのにプリンターのインクを使えばよいと教えてくれました。
なるほどです。みんな色々と考えますねえ

・・・けど、それでも番外編の美術なんですね。
堤先生に「なんでメインに入れたらあかんのか判るか?」
・・・と訊いたのは夜の品川でしたね(笑)
さすが堤先生は即答でした。
「あれは造形遊びだからです」
「その通り!」

さてさて中学生も高校生も、最近は幼くなったように見えるのですが、本来は小学校で経験すべき造形遊びが有効に働くのもその幼さ故なのでしょうか?
posted by kazyhazy at 20:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月31日

番外編の美術(4)

さて、番外編である自覚のある授業なのですが、
下のピンクのラインを通らない授業ということになります。
aenew.JPG

つまり自己表現としての主題を生成せず、デザインとしての構想を持たずに、いきなり技能面の試行錯誤を楽しむことになります。この辺を自覚した取り組みとして過去にこんな授業を紹介したことがあります。
IMG_1894.jpg
「神秘の世界」なんていう題材名を付けて、20分ぐらいで作品が完成する取り組みです。ストローで吹きながら色々と工夫を楽しんでくれます。

さらに実践する人が増えてきたこんな取り組みもそうでしょう。
petbottle.jpg
私の場合はペットボトル30本程度の色相環ですが、もっと多くの本数をクラスや学年単位で実施して、大きな一つの色相環を達成したなんて報告も聞きます。
これも心情表現的な主題もないし、他者に伝達するような構想がありません。

これらの取り組みが「ダメだ」とか「かけしからん」とは全く思いません。
非常に良い取り組みだと思っています。

ただ、番外編であるという自覚があるかどうかが大事だと思います。

そう考えると・・・
よくある「靴をスケッチしなさい」みたいな授業も「学校の近所の風景をスケッチしなさい」というのも番外編になる場合があります。(たいていはそうですね)
ただ、上の取り組みのように「良い取り組みだ」とか「必要だ」とかは全く思いませんが(笑)

デッサンという「まさにこれぞ美術!」という感じのものも番外編でしょう。
まさに主題無き技能ですからね。

こういう取り組みをしている場合、これはメインではないという自覚があればよいのですが。

posted by kazyhazy at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月30日

番外編の美術(3)

しかしまあ学習指導要領も意地が悪い
目標・内容・共通事項と来て、基本的な授業の構造が示され、
「やれやれ、全部を理解して授業を構築するのは大変やなあ」
と、思っていたら
さらに、その外側に配慮事項として
「生徒が自分の表現意図に合う表現形式や技法,材料などを選択し創意工夫して表現できるよう」という大きな追加要求が来ます。これはでかい!!
これは本論に入れてもいいのでは?と思うほど大事なことではないか。
81F2Fh0whdL.jpg

まあ、ここまでは許せる。ただその後に
「スケッチの学習を効果的に取り入れるようにすること」
・・・というのがクセ者です。

ここは内容項目でもなく共通事項でもないその外側、配慮事項の欄です。
A表現(1)の自己表現や心情表現を主として主題を生み出すものや
A表現(2)の他者を想定した構想から生み出すもの

・・・という授業作りの約束事の外側で・・・
スケッチは許されてしまったのです。
免罪符をもらって大手を振って我が物顔で跋扈しているのです
・・・というのは言いすぎですが(笑)
見たままをスケッチするなら主題も構想もありませんから、この番外編はかなり悩ましいです

もし教室の真ん中に花を置いて
「全員これをスケッチしなさい!」的な授業をしている人が居たら「おいおい」と声をかけたくなると思います。研究会などでも「良くない授業の例え」としてよく使われるシーンだと思うのですが、「学習指導要領に従ってスケッチを取り入れました」って言われたらぐうの音も出ません(死語)

スケッチといえども生徒の気持ちを大切にした活動をしておられる先生も居るし、昨日までの紹介の授業のように「番外編であること」を自覚した仕組みをもった授業ならこんな心配はしなくても良いのですが・・・




posted by kazyhazy at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月29日

番外編の美術(2)

いきなり宣伝になりますが、
11月19日(土)午後に南海本線泉大津駅前のTEXPIA OSAKAにてAeNEWの企画研究会「CONCENTcafé」が開催されます。
内容はこの私が「題材作り(表現編)」の講習会のようなことをするようにと頼まれております。
(参加希望者は今からでも連絡してくださいね)

さて、なんでこんな話から入ったかというと、その講習会で使用予定の次のプレゼン画面を見ていただきたいのです。
hyou.JPG

授業のタイプを非常に雑に分けた一覧表なのですが、A表現(1)→(3)の流れとA表現(2)→(3)の流れまではわかってもらえると思います。
しかし三つ目に「補足的な活動」とジャンル分けしているものが登場しています。これは(1)(2)の発想構想部分をすっ飛ばしてイキナリ(3)に到達しています。

では昨日紹介した授業を思い出してみてください。
あらかじめ樹木や葉が印刷された画用紙で表現方法を試す活動は、非常に良い授業だったという感想を持ちましたが、
自己表現と呼べるような主題生成はあったでしょうか? 
他者に伝えることを想定した構想があったでしょうか?(反語)


少し前に紹介したこれも思い出してみてください。
ツノ679.jpg
ツノ675.jpg
新人Y先生と百均で買ってきた台所用品に粘土がどういう表情を見せるのかを実験して楽しむような授業でした。
これも樹木に色を塗るのと同じ機能を持たせた活動と言えるでしょう。

このように学習指導要領の内容項目の外側にある補足的な活動について色々と考えてみたいと思ったので「番外編の美術」というタイトルになっているわけです。

しかし二回目になってタイトルの意味が分かるっていうのは私の癖ですかね。
もう少し他のパターンにも当てはめて考えたいので続きは次回に。

posted by kazyhazy at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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