2017年03月24日

21世紀型スキル(5)

前回の「21世紀型スキル(4)」で紹介した雑誌ですが・・・
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上の方に「STEM」という言葉があります。
これはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)のそれぞれの単語の頭文字をとったもので、オバマ大統領が一般教書演説等で優先課題として取り上げたことが広まるきっかけとなった「科学と数学を土台として展開する科学技術人材育成を行おうというアメリカの戦略」です。
日本では国家戦略と言う位置づけまでにはなっていないようですが民間レベルでは研究が進められていて、STEM教育の塾なんかもすでにできています。
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ちょっと気が付いたのは、これまでは21世紀型スキルでも、キーコンピテンシーでも登場していた「立場の違う者同士が協力し合って解決していけるようなコミュニケーション能力」のようなものがSTEMでは影を潜めています。
特別支援の観点から言えば歓迎すべきことで、「こだわり」が強すぎたり、コミュニケーションができずに学校では苦労していた子が、ここでは大活躍することもあるそうです。
学校でありがちな「平均的に何でもできる」生徒を育成するとか「普通はこうだ」と押し付けるのは、もう通用しないみたいです。

STEM教育は「STE(A)M教育」とか「STEM+Aと表記されることもありますが、これは芸術のArtを加えたものです。
科学技術だけ・・・よりも、やはり芸術的な視点が必要だということで加えられたのですが、まったく当り前じゃないですか(笑)
そんな大事なAを後から追加するなんて!気づくのが遅すぎるでしょ。

日本にSTEM教育時代が到来したとしてもSTE(A)Mとして重要な役割を果たせる教科でありたいものです。
posted by kazyhazy at 22:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月20日

校内研日和(23)

アンケートの結果ですが、昨日の記事に集計したものを載せたので見てもらったかもしれませんが、教科ごとの集計と学年別の集計を出しました。
それぞれにどういう課題意識があるのかが分かると思いますので次回(1/26)の全体研修会で結果報告をしようと思います。
さらに、学校全体を合算して点数化すると次のようにもなりました。
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実際に「変化した生徒の人数」とか「実験的な授業の回数」とかをカウントした数字(データ)ではありません。
一緒に校内研をしている先生方がこう捉えているという点数です。
この辺の捉え方や印象を明らかにする仕掛けをして、それらを自分たち自身で共有できるようにするのも研究主任の仕事ですよね。

また、年末にアンケート集計をしたことを活用して、良い3学期をスタートさせるための準備もしました。
この1年の研究を経た後の3学期ですから、お互いに「授業が良くなってきたなあ」と言いあえるような学期になってほしいので、できるだけのサーヴィスはしていきたいと思っています。
そこで「授業デザインを作っていくためのヒント集」のようなものを発行しました。
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オモテ面の1番は「授業にこのような仕掛けをすれば」「生徒のこのような良い変容がある」という授業の工夫のアイデア集です。これから積極的に仕掛けていって授業を変えようとする「チャレンジの予定」なんかも混じっていて、60人分のアイデアには圧倒されます。
こういう先生方の頑張りを共有させるのも研究主任の仕事ですよね。


さらにウラ面の2番以降には、この4月から私たちが勉強してきたことのダイジェストを載せました。
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今年の校内研のなかで登場して「初めて聞いた」と言われたりもする用語(オープンクエスチョンなど)とか、講師の先生に教えていただいた「課題作りの条件」や注意点などを簡潔にまとめてみました。
年末のうちに講師の先生には送っておいたので、チェックしていただいたものを刷って、3学期のスタート時に配付しました。
やることを指示するんじゃなくて、必要な情報を提示して先生方に考えてもらう。
こういうのも研究主任の仕事ですよね。
というか、
こういうのこそが研究主任の仕事ですよね。

だれか、「そうだよ」と言ってください(笑)
posted by kazyhazy at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月17日

中美連滋賀:冬の大会(5)講話

先週に開催されました冬の研究大会を紹介している5回目
5回目ともなるとそろそろ気づかれたでしょうか?
大会のプログラム通りの順番に公開授業や基調提案や研究協議を紹介してると見せかけて、実は具体的な中身にはあまり触れていません。
今年の内容ではなく、今年だけではない複数年の積み重ねから得られる、ちょっと普遍的な「公開授業とは・・」「研究協議とは・・・」という話題にシフトするように、斜め上方向に跳ぶように仕組んで書いてあったりします。

プログラムはいよいよ田中先生の講話にまで進んできました。
そんなに毎回毎回斜め上に跳ぶように書けるのか?と思われるかもしれませんが、講話の具体的な内容を楽しみにしている皆さんには申し訳ない。跳んでしまうかもしれません。お許しください。
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そもそも講話なんて直接聞いてナンボ
ここで間接的になんて説明できるわけがありません。
だから、「田中真二朗先生が滋賀に来るぞ」とこのブログや中学校美術ネットに情報を挙げたら、県外から何人もの問い合わせがありました。みんな是非「直接聞きたい」と思ってくださってるんですねえ。

このことは、直前の役員会でも紹介しました。
「県外からの問い合わせや参加申し込みが来てるよ」と。
そして、いつも皆さんにご迷惑をおかけしている「私の苦言」が始まりました(笑)
田中真二朗先生と言えば、堤先生が「呼びたい」と言って、私が「オッケー賛成!」と即決できるような先生です。県外の先生でさえ「田中先生が来るんだったら滋賀に行かなきゃ」という人が居るぐらいです。
さあ、肝心の滋賀の皆さんはどうですか。
田中先生が来ると聞いて「おおっ」という気持ちになりましたか?
当然のように田中先生を知っていましたか?
普段から敏感なアンテナを高く上げていますか?
昨年の花里裕子先生も同様に凄い先生だったんですが知ってましたか?
全国の動向から隔絶したような所で、美術の授業の事なんて考えられますか?

・・・・というようなマシンガンの引き金を引いてしまいました。

これはもう私のビョーキのようなもので、時々このような発作が勃発するのです(笑)
(みなさんスイマセンでした)

さて、今お読みのこのブログも、全国から毎日多くのアクセスをいただき、当の田中真二朗先生も愛読者で「いつも読んで勉強させてもらってます」とお世辞を言ってくださっているのですが、
「あれ、滋賀の先生にはあまり宣伝してなかったかも?」
・・・ということに気づきました。
本人に面と向かって「良いブログだから読め」とも言えないので遠慮してましたが、ちょっと反省して、とりあえず今回の研究大会で若い先生には紹介するようにしました。
さらに「学び研」をはじめとする知っておいてほしいいくつかの活動や動向を紹介するページを大会冊子の中に組み込みました
情報がよどまない、風通しの良い中美連滋賀でいてほしいものです。

ほら、(予告通り)いつのまにか別の話題にシフトしてます。(笑)

posted by kazyhazy at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月06日

授業を見る 授業を作る(22)

ピクトグラムの授業ですが、構想ができたら結構仕上がるまでは速いです。
そろそろ完成に近い子が出てきているようです。
これにラミネート加工をして、校内の該当箇所に貼りつければ任務完了です。
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見ていただいたらわかるとおり、これはポスターカラーではなく色画用紙を切ったものです。
「手描きの良さ」というのとは趣旨が違うので、コンパスや定規を駆使して遠くからでも意味が伝わるシンプルさが求められます。なかなか細かな作業を必要とする部分もあり、切る作業も慎重です。
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切り貼りで作るメリットがいくつか考えられます。
◆筆で塗ると塗りムラが出たり、はみ出さないように塗るのが大変。絵の具が苦手な子のモチベーションが下がったり、掲示できるほどスカッと仕上がらなかったりしたときにデメリットが大きい。
◆鉛筆の線描で下絵を描いていた時と違って、濃淡や線で説明していたところも「面を切り落とすか、残すのか」という二者択一を迫られ、形状の整理の必要が出てくる。
(ステンシルのような状態が求められるということですね。)

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非常口のピクトグラムも、緑色の人物が脱出しているような場面で足の一部が壁に重なっているところがあります。壁も足も緑色なので細いスリットを入れて前後関係をわかるようにしています。
こういう工夫が求められる授業なわけですね。

しかし、ここがなかなか1年生には難しい!
私自身は初任者の授業を見ているだけであって授業者ではないのですが、段々と私の所へ作品を持ってきて質問する生徒が増えてきました。

初任者のYさんは授業全体を前に進めなければいけません。作業の先頭を走っている生徒たちは当然Yさんに訊きに行ったり材料をもらいに行ったりするわけですが、そういう用事ではない「できない」「わからない」という質問に関しては、後ろのおじさんに訊いた方が早いと考えたのでしょうか?

この部分に関しては、個々の生徒の技量にまかせる割合を減らして、授業の流れやワークシートの中にこういうことを学ぶシーンをがっつり組み込んでおいた方が良かったのかもしれませんね。

posted by kazyhazy at 19:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月28日

カテゴライズの問題(4)

美術の学習指導要領は
このブログでも何度か文言が登場した通り
「A表現」「B鑑賞」から成り立っています。
けどカテゴライズになんか問題がありませんか?

「ひとつずつしか無いんだったらAとBっていらないじゃん」


ということになりませんか?
(純粋な心を持って算数レベルで考えましょう)

表現の方法が2種類以上あって
どうしても2通り必要やねん!
という時に「A表現」と「B表現」と書くのならわかります。
これも他教科と表記を合わせた結果なんでしょうかね栗原さん。
AとBは無くても良いんじゃないかと思うのですがどうでしょう。
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以前にもこのブログの文中に登場した文科省教科調査官のH先生 (誰なのかバレバレ)に、実はこの話をしたことがあります。
説明が下手だったせいか、なかなか算数レベルにまで降りてきていただけなかったのですが、理解されたとたん・・・・
「ああ〜 ホンマや! 今まで全然気づかんかった」
と京都弁で (バレバレ) 叫んでおられたのが印象的でした(笑)

さて、不要であることが判明したAとBですが、
消してしまうのもナンですので、有効活用してみようと思います。

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以前の記事(リンク)番外編扱いだった活動正当な枠内に入れてますので、これは現行の学習指導要領を忠実に表しているわけではありません。

短くまとめるために、使っている文言もちょっと乱暴で大雑把なのも気にしないでください。

現在AとBがあるのはオカシイのだけど
A表現(1)(2)(3)の所もオカシかったという話題がありましたので
両方を一気に解決する方法を試案するアソビみたいなものですのでお許しいただきたい。

posted by kazyhazy at 19:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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