2016年10月19日

美術教育学会(滋賀大会) 自分の発表 その7

発表45.jpg
さて、クローズドクエスチョンをどのようにぶつけたかというと
<クリスティーナの世界の場合>
「この女性って、どこかから旅をしてきて遠くに見える家に向かっているの?それとも家から出てきて帰ろうとしているの? 今まで無意識にどっちだと思って見てた?」
・・・と「行くか帰るか」の二者択一で問いかけます
鑑賞の時間に二者択一なんてなかなかの暴挙ですよね(笑)

主観の飽和状態で停止していた生徒たちは
(そういえば自分はどっちだと思ってこれまでこの絵を見てきたんだ?)
・・・と思考に再起動がかかります。

「全員どちらかに手をあげましょう。まずは家に向かっている派!」
なんて感じで聞いていきます。
kanshou.jpg

当然、意見がクラスでまっぷたつに分かれます。
「体の向きから行って、家の方向に向かっているだろう」
「いやいや、どこかから家にやって来たのなら荷物はどこにあるんだ」
「そうだそうだ、ワイエスさんのリアルな作風からいって描き忘れなんか考えられないぞ」

「山賊か何かわからないけど、奪われて逃げてきたんだ」
「そう言えばこの女性、服も汚れているし疲れているみたい」

・・・というようなやり取りが実際にありました。

ディベートのように色々意見が出ますが、
クローズドクエスチョンということは正解があります。
授業ではちょっと真剣な顔で
「ここで実際にあった話を言うね」
と言って、資料で調べた話をします。

この女性の名がクリスティーナで、幼いころから小児麻痺のために足が不自由な女性です。
彼女は足が不自由でもできる仕事で生計を立てて、もう50歳を越えました。
遠くに見える家はワイエスのアトリエだという説があります。
外にほとんど出ない彼女はワイエスのアトリエの掃除や料理の仕事をしていました。
その彼女を描きたいと思ったワイエスがモデルを頼んだという訳です。


・・・と、ちょっとしんみり話をします。
(上に書いたクリスティーナの話は、複数の資料で調べたことをミックスしていますので、もしかしたら皆さんが知っておられる説とは微妙に違うかもしれません)

・・・という風にクローズドクエスチョンらしく、ちゃんと閉じる(クローズ)訳なんですが、これが飽和状態のブレイクスルーなのだけではなく、実は4つ目の発問の伏線になっているのです!(わくわく)

けど次回は4つ目の発問に行かずに<東京オリンピックの場合>のクローズドクエスチョンを紹介しますね。


posted by kazyhazy at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 学会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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