2016年07月12日

授業を見る 授業を作る(6)

幼稚園実習で一番勉強になったのは
理科の初任のKくんの出前授業だったかもしれません。

Kくんは「理科らしいもの」ということで自分で考えて、「紙コップを使った糸電話をやります」と言ってきた。
白いコップに糸を付けるだけでは味気ないので「白いコップに、まずお絵かきをして自分のものだとわかるようにしたら?」と美術科らしくアドバイス。
おお、それが良いということになり、少し授業が変わりました。(勉強1)
IMG_0146.jpg
当日を迎えました。
実際に幼稚園でKくんが準備をしているのを見ると、糸が長い!3mはあったかな?園児の身長の何倍だ?
幼稚園の先生と一緒に説得して半分のサイズになりました。(勉強2)
それでもまだ長いと思うのだけれど、「糸電話は短いと面白くないので」という、理科教師ならではの授業の効果を考えていたのでしょう。

紙コップへの「お絵かき」までは順調でした。
さあこれから糸の取り付けなのですが、「コップの底に穴をあけて糸を通して固定するのは難しい」と考えたKくんは、コップの底にセロテープで糸を留めて、園児同士のコップを次々とつないでいきました。

工夫して考えてきたのはいいけど、なんというアンビバレントなことを!

当然どうなったかというと
「糸がピンと張るように引っ張って!」と言うや否や
「セロテープが外れるから糸を引っ張らないで」と言う二律背反。
しかも園児二人が両側から引っ張っているので、両者がそんな絶妙の力加減になんかなりません。(勉強3)

ところが、ここまでは予想できた私を越える事態が起こりました。
園児たちは糸を緩めたままで、楽しそうに糸電話で会話を始めたのです。
近いので地声でも声は届きます。糸の振動は伝達されていないけど「わあっ声が聞こえたぁ」と大喜びです。糸がピンと張れない時点でダメだと思った私が勉強させられました。(勉強4)

そして、活動を終えて使った用具を片付ける時、またしても勉強させられることがありました。
糸電話を園児たちが片付ける時、すっかり愛着を持ってしまったこの糸電話は誰のものかということで園児たちは困惑したのです。
自分の紙コップと友達の紙コップが糸でつながれたものを「誰のロッカーに片付ければいいのか」を迷ってしまう姿に、「一旦相手に預けといて・・・」というような融通が付けられるようになるのも「これからの育ち」なんだと勉強させられました。(勉強5)


posted by kazyhazy at 23:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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