2010年12月09日

いつも心に切り口を(4)

余所へ行って自分が講話したことで
かえって自分自身の整理にもなった・・・というわけで
その話を振り返りながら書いているのがこの「いつも心にシリーズ」

今日からは2つめの「切り口」の話をしたいと思います。

話の中で2番目に紹介したのは、これまた数年前に滋賀で扱っていたテーマです。
takatuki_6.jpg
素材、教材、題材・・・という言葉を皆さんはどのように捉えておられるでしょうか。

ここでは仮に
■素材:授業の目的を達成するのに最適な材料
■教材:美術の何で学ぶのか 何を学ぶのか (版画で学ぶ・・・とか)
■題材:その制作が目指す方向性や制限を主題化したもの
・・・・とします。
たとえば、
素材:絵の具・画用紙・落ち葉を使って
教材:コラージュの技法を学び
題材「秋の訪れを見つけよう」というテーマの制作をする
・・・・という具合です。

この3つは三次関数と同じで関連し合いながらも独立しているので
素材:粘土、木片を使って
教材:抽象彫刻を学び
題材「秋の訪れを見つけよう」というテーマの立体制作をする
・・・・というように
別のアプローチから同じ主題を目指し、別の学びにつなげることが可能です。
また逆に、
同じ素材や領域を使って、「秋の訪れ」以外の主題へ変えることも可能ですし、
同じ「秋の訪れ」の抽象彫刻でも、(発砲スチロールとか)別の素材に変更することも可能です。

素材・教材・題材の3つは、どれかが欠けるという事のない組み合わせでありながら、その個々は可変である・・・・という構造なのですよね。(まわりくどい言い方)

同じ題材で来年授業をするにしても「素材は最適だったか」「この学びのためには、別の素材の方が良かったのではないか」・・・と検証してみる。
同じ素材を使って来年また授業するにしても「違うテーマで投げかけた方が深まるのではないか」・・・・という風に、個別に可変である特性を生かして授業改善の切り口としてみることが可能なんですね。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
よくこんな授業を見かけます。
「さあ今日からはこんな技法でこんな作品を作るぞ!」と生徒に声をかけて始める授業です。(これは、主題が欠落した状況ですね。)

完成作品のイメージが先行していて、そこに生徒の作品を近づけさせようとするだけの作業(授業ではない)です。

生徒は、何のために何を目指しているのかも気づかないまま、なんか美術っぽい作品を作らされるという訳です。(これがよく言う美術の授業もどきですね)

つづく


posted by kazyhazy at 21:09| Comment(5) | TrackBack(0) | 切り口 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
その通りですね。
でも、授業作品展に行くと、教材の主題が欠落した授業で作られただろうなあ…と思われる作品の何と多い事か…。
「生徒指導上、細かな手作業だけの作業をさせないと授業が成り立たない…」とか、授業が週1時間になり、受け持ちクラスも15クラス以上になり、学校の大事な分掌を持たされ、更に運動部を持っているから、業者の簡単教材を作らせるのが精一杯…」の声に対して、なかなか反論出来ず、「せめて自分の授業だけは、いくら忙しくなっても手は抜かないぞ!」と踏ん張るしかない自分の近辺の現状に、悲しくなってしまいます。
でも、それに負けては、いけませんね。梶岡先生のこの働きかけをヒントに、明石で「頑張る美術教師を少しづつ増やしていく」取り組みを頑張っていきますね。
Posted by 魚住東中学校のクワムラです。 at 2010年12月17日 18:57
<色:#006600>コメントありがとうございます。<span style="color: #ff6600;">生徒指導上の理由</span>は確かにありますよね。けど、この3つの要素の大切さに気づいたのは、やはり生徒指導が<span style="color: #ff6600;">大変な学校に勤務していた頃</span>でした。
不完全な授業計画ほど生徒は<span style="color: #ff6600;">消化不良</span>を起こすので、大変な学校ほどこのことを大事にしたいと考えます。</色>
Posted by kajioka at 2010年12月17日 19:07
ご返答ありがとう御座います。
その通りですよね。
沖縄の古堅中学校の田実先生も「荒れた学校を、美術教育の力で生徒の心を育て立て直していった」と話されていました。
実際、生徒指導上問題を抱えた生徒の方がエネルギーがあるし、そのエネルギーを正しく表現させてあげれば、素晴らしい作品を生み出してくれますね。
先生のご返答で勇気が出ました。頑張ります。
有難う御座いました。
Posted by 魚住東中学校のクワムラです。 at 2010年12月17日 19:48
クワムラ先生のお話から出てくる実態の話。もったいないですね。逆ですよね。生徒は価値ある題材だと思うと本気で取り組みますからね。
Posted by 山崎正明 at 2012年05月16日 23:23
クワムラ先生のこのような生の声、本当に大事だと思います。梶岡さんにも賛成。私も生徒指導困難校で鍛えられた口です。
Posted by 山崎正明 at 2012年05月16日 23:25
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